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適材適所のツールで業務自動化を行う

多くの業務を自動化することができるRPAツールですが、長期に使用していると環境の変更による影響を受けやすいことに気づきます。


予期せぬロボットの停止に気をつけましょう
予期せぬロボットの停止に気をつけましょう

RPAツールはWebアプリケーション、デスクトップアプリケーション、Excelで行っている業務など、様々な業務を繋ぎ自動化してくれる優秀なツールです。ですがその一方、ロボットの運用を続けていると、予期せぬ停止により業務が止まってしまうことが度々発生します。


弊社ではRPAのロボット開発方針として、いつロボットが止まっても良いように、つねに人手の業務に切り替えられるようなロボット開発を行っています。ロボットの設計書が、そのまま業務手順書を兼ねられるように、ロボットでしかできないことは行わないという、ロボット開発です。そうした人による作業を模倣するロボットを運用している時に起こることが、Windowsやアプリケーションの更新の影響による、ロボットの予期せぬ停止です。


例えば、ロボットがあるシステムからCSVファイルをダウンロードしてきます。CSVファイルは(残念なことに)そのままExcelで開くと文字化けしてしまう内容で書かれているため、一度メモ帳で開いて保存しなおすという操作を行っていました。(保存しなおすことで、文字コードと呼ばれる文字を表現するデータ形式がExcelで読み込める形式に変換されます)これがある日のWindows更新を境に、動かなくなってしまいます。メモ帳の文字コードに関する取扱いが変更になったためです。


※ 影響を及ぼしたWindowsの更新内容。メモ帳の動きが変わりました。

Notepad Updates


どうすれば、ロボットが停止する事態を回避できたのでしょうか。 一つ考えられる回避策は、今回の手順で行っていたような、ファイルを上書き保存する際に文字コードが変更されるという、暗黙の仕様に基づいた操作をやめることです。メモ帳で明示的に名前を付けて保存を行い、文字コードを設定して保存する、という方法をとっていれば、Windowsの更新時でも、ロボットが停止する事態は避けられたでしょう。ただし、こういったことを注意深く設計するには、相応の経験や、ロボット開発時のガイドライン作りこみが必要となることでしょう。


また弊社ではRPAツールとしてUiPathを活用しておりますので、UiPathの処理として、文字コードを変換してファイルを保存しなおすということもできたと思います。人手の処理を模倣するという前提に立っていたため、こういった処理を行っておりませんでしたが、人が行う手順とロボットが行う手順を異なるものにして管理すれば、ファイルを読み込み、文字コードを変換して保存しなおす。こんなことも簡単に実現可能です。


・・・


あれ・・・ちょっと待ってください。RPAツールで文字コードを変換して保存しなおす。こういった操作はシステム開発で行われる一般的なプログラム処理と一緒です。どうしてRPAツールを使っているんでしたっけ・・・?


ということで弊社では、より環境に依存した部分を排して確実な動作を行い、長期的に保守可能な業務自動化を行うために、以下のような区分けでツールを使用することにしました。



RPAのツール適用を、デスクトップアプリケーションに限定し、他の操作に関しては環境に依存せず動作可能な独自プログラムの活用で自動化を進めています。プログラムの実行を管理するためにジョブ管理ツールを導入し、ジョブの実行結果や業務処理により作成されたデータはBIツールから閲覧できるようにしています。


RPAツールの適用には、注意深い設計が必要です。そうでなければ環境に強く依存し、いつか止まってしまう、そんなリスクを抱えた自動化となってしまうでしょう。大規模にロボット開発を展開する場合には、特に注意が必要です。

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