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チンダル現象を利用した気流の可視化

換気できていますか? 昨今の新型コロナウィルスの対策として室内の換気が重要であるといわれています。当社でも換気ができているかを確認するためにCO2の濃度を測定して可視化する取り組みを行っています。室内の換気は窓を開けたり換気扇を動作させるだけで良いのでしょうか。全体の空気が淀むことなく入れ替わっているのでしょうか。換気ができているかを確認する、あるいは換気ができていないところを確認する、効率よく換気できているか確認するなどのために気流を可視化して室内の空気の流れを確認するという方法があります。


チンダル現象とは チンダル現象をご存じでしょうか?チンダル現象という言葉を知らなくてもほとんどの人がチンダル現象を見たことがあると思います。チンダル現象とは光の通った経路が斜めや横から見ると光って見える現象です。光の通り道にあるホコリなどの小さな粒子や水蒸気に光が反射して見え、雨の後の木漏れ日などで光が筋状に光って見える状態です。少し暗い室内に窓から太陽の光が差し込んできたときにもよく見られます。 チンダル現象はミー散乱によって起こります。ミー散乱は光の波長以上の粒子による散乱現象で散乱の特徴として、粒子のサイズが大きくなるにつれて前方への指向性が強くなり、側方および後方へはあまり散乱しなくなります。そのためチンダル現象が起きているときに光の筋の横からより光源に向かって見た時の方が粒子が光っている状態が良く見えるようになります。

ウィキペディア(Wikipedia)チンダル現象 2019年11月2日 (土) 00:15 から(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%AB%E7%8F%BE%E8%B1%A1)

気流の可視化のいろいろ 気流は通常目では見えないので何らかの方法で可視化する必要があります。可視化する方法にはいろいろあり、赤外線カメラを使って気体の温度差をリアルタイムで取得して可視化する、レーザー光と専用のスクリーンを使って気流を可視化する、水蒸気や専用の気体を発生させてその流れを見るなどの方法があります。また実際の観測によらずシミュレーションによって気流を可視化する方法もあります。

なぜチンダル現象で気流の可視化? いろいろな気流の可視化方法がありますが、現状ではどの場合でも専用の比較的高価な機材が必要となります。そこでチンダル現象を利用して安価なハンディライトとスマートフォンで気流の可視化ができないか試行しています。 気流の可視化が安価な機材でできれば室内の換気状態を把握して効率良く換気する方法や、現在の換気の問題点を把握したり、冷暖房の効果的な方法を検討することが簡単にできるようになります。

どのようにして気流を可視化するか 気流を可視化するために高輝度LEDを使用したハンディライトとスマートフォンを使用します。ハンディライトは高輝度LEDチップを4つ使用していて

カタログ上では10,000ルーメンの明るさがあるものです。写真の左にある黒いライトです。右のライトはLED1チップのライトです。写真ではあまり明るく見えませんが黒いほうのハンディライトは光を正面から見ると眩しくて目が痛いくらいの明るさになります(目を傷めるのでやらない方が良いです)。このライトはズーム機能があるので配光を絞ってなるべく拡散しないようにして使用します。

このハンディライトで照らした室内をスマートフォンで動画を撮影して加工したのが下の写真です。暗いのはライトの背後にある物が映らないようにしているためで、実際にはもっと明るいところで撮影することができます。本を読むには少し暗いくらいの明るさでもハンディライトの光でホコリなどが光って見えればその軌跡を追うことができます。下の写真では気流は主に上から下方向へ、若干ですが光源側からカメラ側に気流が流れています。

普段はあまり目には見えないですが、ある程度の量のホコリが室内を浮遊しているのでうまく光を当てれば撮影することができます。ただしホコリなどの浮遊物を撮影してその軌跡を追っているので、実際の気流より重力の影響で下方向に動く傾向にありますが気流に沿って上方向や横方向に流れていく様子を見ることができるようになります。 現在このような比較的安価な機材での気流の可視化に取り組んでいます。